少し古いですが、広島カープのかつての名投手、北別府学は高校時代に片道20㎞の山道を毎日自転車で通っていたという有名な話があります。「精密機械」と呼ばれていたあの制球力は、しっかりと鍛えられた下半身からきていたのかもしれませんね。
ま、ここまでやれとはいいませんが、私たちも毎日の通勤通学でちょっとしたトレーニングはできるかもしれません。そうです。通勤通学は毎日のこと。塵も積もれば山となる…で小さなことでもコツコツ続けるとやがて大きな力になることは間違いありません。
もちろん、職場や学校まで走って行っているという人もいるかもしれませんね。でもこれはなかなか難しい…。
では、通勤通学で自転車を使っているという人、もうこれだけで立派なトレーニングですね。下半身がかなり鍛えられます。でも、ただダラダラとゆっくり走っているのではあまり効果はないかもしれません。ママチャリであっても姿勢を正してお腹に力を入れながらしっかりとペダルを漕ぎます。わざと緩やかな坂のある道を選んでみてもいいかもしれません。駅または職場まで、少し息が切れるくらいのスピードで自転車をこぎましょう。ただし、周りにはくれぐれも気を付けてくださいね。信号無視もダメです。
では電車やバスで通勤通学しているという人。こちらも細切れではありますが、ちょっとした運動ができます。駅やバス停まで早足で歩く。一駅分多めに歩く。駅の階段をダッシュで上る。もちろん会社や学校の階段もダッシュで上る。間違ってもエレベーターやエスカレーターは使いません!
電車やバスの中もトレーニングをするチャンスです。吊革につかまったまま、カーフレイズというふくらはぎのトレーニングをしましょう。やり方はとてもカンタン。電車やバスが動いたときにバランスを崩して倒れたらいけないので、吊革や棒につかまって立ちます。姿勢を真っすぐにして、かかとをゆっくりと2~3秒かけて上げます。できるだけ上に上げます。一呼吸おいてからまた2~3秒かけてかかとを下ろします。このとき勢いでかかとを上げないようにして、意識はふくらはぎの筋肉に集中します。とてもシンプルなトレーニングですが、この動きをすることで、ふくらはぎにあるヒラメ筋と腓腹筋を集中的に鍛えることができます。
電車やバスの中で座ったときにもトレーニングです。上記のカーフレイズに対してこちらはトゥレイズといって、つま先を上げる運動です。まず姿勢を正します。かかとは床につけたまま、つま先をできるだけ上に上げます。一呼吸おいてからつま先を元に戻します。これを何回も繰り返すと前脛骨筋というすねに沿ってある筋肉が鍛えられます。この筋肉は先ほどいったふくらはぎの筋肉の反対側にあり、この両方の筋肉のバランスが悪いと歩行やランニングのときに躓いてしまいます。見過ごされがちですが、この筋肉もしっかり鍛えておくべき部位です。このトレーニングは立った時にもすることができます。
このように、通勤通学のちょっとした時間でも足を鍛えるトレーニングができます。電車やバスの中であっても、しっかりと足を動かしましょう。スマホを眺めながらでも構いません。(でも筋肉に集中するとそれだけ効果も上がります)自分であれこれ工夫をして、貴重な時間を有効に使いましょうね。