ダイエットのためにランニングを始めたい! でも夜は仕事で疲れているからできれば朝走れたら。このように考えているランナーの方も多いのではないでしょうか。
始めるからにはきちんと結果を出したいものです。朝ランニングをすることには、どのくらいのダイエット効果があるのでしょうか。
痩せるためにはどの点に気をつけて走るべきのかについて見ていきましょう。
朝ランニングは何時から走るのが効果的か
朝は目覚めたばかりで体が十分に動いていません。早朝に走る習慣をつけることで覚醒を促し、1日を爽快な気分で始めることができます。
また、朝からしっかり動いていると日中のパフォーマンスもよくなり、さらに体が健康な疲労感を得るので夜の寝つきがよくなります。
そのため夜食や晩酌の習慣がなくなりダイエットにつながる側面もあるのです。
ですが早朝のランニングは、頭も十分に働いていないことから事前にしっかり体を温めて行うべきです。
目覚めて走りに行く準備を整えてから、10分程度はストレッチやウォーキングなど準備運動の時間をとるといいでしょう。
実際に走る時間も加えると、30分のランニングに20分の準備時間でほぼ1時間近くかかることになります。
出勤時間に合わせて無理なく取り組めるよう、早朝ランニングを始める場合は、起きる時間を普段より1時間早めて行うのがいいようです。
実際のダイエット効果はどのくらい?
朝ランニングをすると、その後1日分の消費カロリーも多くなると言われています。
これをアフターバーン効果といい、筋力トレーニングをした後などにも起こる現象です。
アフターバーン効果は、運動をした後に体に蓄積する疲労物質を代謝するために使われるエネルギー活動をさして言います。
とはいえ、アフターバーン効果で得られる代謝率は0.5~0.7%程度だといわれており、ランニングそのものよりは少ないエネルギー消費になっています。
寝ている間に糖質が消費されている
ランニングにはまず糖質がエネルギーとして消費され、その跡で脂質が消費されるようになります。
一般的に糖質がなくなって脂質燃焼が始まるまでに、20分かかるといわれていますが、朝は寝ている間に糖質が消費されて低血糖状態になっています。
そこで、朝ランニングをするとスムーズな脂質消費につながりやすいのです。肥満の原因は皮下脂肪や内臓脂肪なので、朝起きてすぐにランニングをするほうがダイエット効果は高いといえます。
運動量と時間はあまり関係しない
朝早く起きて運動することは、精神面、肉体面双方によい効果をもたらします。
ですがダイエットという視点で考えたとき、6時に起きて走ったとしても、20時に走ったとしても、走る距離が同じなら消費されるカロリーも変わらないのが事実です。
ダイエットのためにランニングをするなら、重要なのは走る時間帯ではなく何km走るかなのです。
ですが1日働いて夜走るのは疲労の度合いが違いますし、必然的に長い距離を走りにくくなるでしょう。その点で、ダイエットのためには早朝にランニングの時間をとるほうがいいのです。
夏と冬では開始時間は変えた方が良い?
前述のように、時間帯が変わってもダイエットの効果に変化はありません。ですが、冬は日が短く夏は気温が高いことから、同じ時間に走っても体で感じる疲れ方が違うものです。
出勤の1時間前には起きてランニングを終え、食事もとって仕事に向かいたいものですが、冬の早朝は暗く危険です。
そこで季節に合わせたランニングの準備を考えて見ましょう。
季節に合わせた走りやすい服装
ランニングで重要なのは、汗の処理です。だらだら汗をかくのは不快感を伴いますし、仕事に出かけるときも臭いがしてよくありません。
そこで、ランニングウェアは吸湿性、放湿性に優れた専用のTシャツやウィンドブレーカーを使いましょう。
特に冬場の汗を放置しておくと体が冷えて低体温症になってしまう危険もあります。首周りをネックウォーマーで温めたり、手袋を着用したりして体温低下を防いでください。
ダイエットのために走るべき距離は
ダイエットで重要なのは、体脂肪を消費することです。走り始めて体の糖質が消費され、蓄積した脂質が燃焼するようになるまでに20分かかります。
この時間を短縮する方法として、インターバル走があります。これは最初に全力でダッシュして心拍を上げることで筋肉の中の糖質を消費し、脂肪の燃焼効率を上げる方法です。
インターバル走なら50mダッシュ+50mジョグを1セットとして10セット、1km走れれば十分でしょう。
一定のペースで30分走る場合は、時速8km程度のゆっくりした速度で無理なく走るのがいいですね。30分なら4km走れば十分です。
継続して走れるようになるには、時間をかけて体をランに慣らさなくてはいけません。
いきなり無理をして早く長い距離を走る必要はありません。まずは息切れしない程度で走り続けられるようになりましょう。
朝食のとり方
朝ランニングをする場合、走ったあとの食事の内容を工夫する必要があります。
運動の後は体が疲労し、血液も手足のほうに回っているので内臓の働きが鈍くなっています。つまり消化不良に陥りやすい状態です。
そこで、ランニング後の朝食には消化によく、筋肉を生成してエネルギー補給に向いているものがいいでしょう。
おすすめなのが、豆乳とバナナです。
豆乳のタンパク質で傷ついた筋肉を補修し、バナナはエネルギー源として即効性があると同時に、脳の栄養にもなって体が目覚めます。
豆乳とバナナで作ったスムージーに、オレンジなどのフルーツを足したり、粉末の青汁を加えたりするとさらに栄養バランスがよくなり、疲労回復が早くなります。
早朝ランニングの注意点
朝は低血糖状態なので、糖質の代謝が早く脂質の代謝に結びつきやすいのは事実です。
その一方で、あまりにも早く糖質を代謝してしまうと、ハンガーノックという状態に陥り、いわゆるエネルギー不足でめまいや頭痛を起こしやすくなってしまいます。
それを防ぐためにも、走り出す前に消化によく適度に糖質を補えるものを一口たべておくといいでしょう。
最適なのは果物です。脳を活性化させるブドウ糖を多く含むものならなおいいですね。またゼリー飲料や飴なども速攻の糖質チャージとして向いています。
シャワーは運動後しばらくたってから
ランニング直後は心拍数が高くなっているので、熱いシャワーをすぐに浴びると呼吸が早くなってしまい心臓に負担がかかります。
運動後は息が整うまで軽く汗を拭いて軽食をとるなどして、体を落ち着けてからお風呂に入りましょう。
また脂肪分解酵素「リパーゼ」は、体温が高くなると活性化しますが、上がりすぎると逆に働きが鈍くなります。
ランニング後のシャワーはぬるま湯で汗を落とす程度にするのがいいですね。冬場を少し寒く感じるかもしれないので、先に朝食を取って、その後熱いシャワーでさっぱりしましょう。
朝のランニングを続けるこつは
しっかり走ってゆとりを持って仕事や家事を始めることを考えると、いつもより1時間は早く起きなくてはいけません。
初めのうちはこれはとてもつらいことでしょう。すぐに挫折してしまうかもしれません。6時に起きていた人なら5時には起きることになりますから。
冬場はまだ暗いので、それだけでもやる気がなくなることも。そこで朝のランニングが長続きする方法を紹介します。
フィジカル面・足に異常を感じたらすぐ歩く
走りなれていないうちは、しばらく走っていると足がつったり、ふくらはぎやすねなど普段あまり負荷がかからない部分が悲鳴をあげることがあります。
そこで無理をすると怪我につながったり、苦痛がマイナスイメージになってもうやっぱり走るのは自分には無理、と思ってしうかもしれません。
両足をいたわりながら走ることが重要です。傷み、異常を感じたらゆっくり歩き、回復したらまたスローペースで走りだす。これを繰り返してください。
メンタル面・少しずつ走れるようになる自分を楽しむ
ランニングの経験がない方が走り始めると、思った以上に走れない自分に驚くかもしれませんね。
長距離走はすぐに身につくものではありません。スポーツの経験があってもロードを走ることはまた違う運動です。
ここでも、自分に走るのは無理、と思わず、「今日はここまで走れたから、明日はもう少し走ろう!」と徐々に目標距離を伸ばします。
すると、だんだん走れるようになってきます。初日と1週間目を比べるだけでも連続して走れる距離は違うはずです。
ランニングが身についてくる自分を楽しんで、まずは30分止まらず走れるようになることを目指しましょう。