日本のランニング競技人口は、1000万人を超えると言われています。

年1回以上の実施率の推移(ジョギング・ランニング)
まさに、「ランニングブーム」です。
でも、正確に言うと「ランニング・ジョギングブーム」になります。
私もそうですが、ほとんどのランナーの人たちは、ランニングとジョギングの違いを意識することなく、その言葉を使っていると思います。
今回は、ランニングとジョギングの違いを説明し、なぜ、ランニングという言葉が多く使われるようになったのか考えてみたいと思います。
ランニングとジョギングの違い
「ちょっとジョグしよう」と言う場合は、準備運動として無理のないスピードで走る時などに使います。
なんとなく、ジョギングとはゆっくり走るというイメージで捉えられていると思います。
「無理のないスピード」という感覚には個人差がありますが、

※そのため、他の説ではランニングは6.4km/h以上と考える方法もあるみたいです。
フルマラソンを5分/kmのペースですと、3時間30分で走ることになります。このスピードで走る市民ランナーは、確実に中級者以上のランナーになります。
もっと簡単に考えると、早いペースで走ればランニング、ゆっくり走ればジョギングです。では早い、ゆっくりを決めるのはなんでしょうか。

具体的な数字で話すと、心拍数がランニングは140以上、ジョギングは120~130前後になります。
心拍数は運動強度を表しますから、心拍数140を超えるランニングは運動強度が強いことになり、自分にとってのランニングだと考えて良いでしょう。

ランニングは運動強度が求められるため、持久力の向上だけでなく、瞬発力などの筋力の養成にもつながります。
一流のランナーの太ももが発達しているのは、運動強度の強いランニングをしているからです。
一方、ジョギングの心拍数は、効率よく脂肪を燃焼する運動強度になっているため、ダイエットをしたい、足を細くしたい等のランナーには、無理のないスピードで走るジョギングが向いています。

普段、7分/kmくらいのペースで走ることが多いランナーは、5分/kmにスピードアップすると腰、膝、ふくらはぎ等への負荷が大きくなり、故障やけがにつながることになります。
また、オーバーワークから筋肉痛を引き起こし、ランニングを休まなければならなくなります。
スピードアップをするためには、強く腕を振り、強く地面を蹴り、歩幅も広くと、全身の筋肉を使うことで筋力はアップしていきますが、短い時間しか走れず脂肪燃焼効果は悪くなります。
それぞれランナーの目的によって違いますが、一般的にランニングは「市民ランナーがレースに出るためのトレーニング」、ジョギングは「健康やダイエットのためのトレーニング」と言えます。
なぜ、ランニングという言葉が多く使われるようになったのか?
ランニングの雑誌なとどを見ると、ランニングウェアーやランニングシューズ、朝ランに旅ラン等々、「ジョギングではなくランニング」「ジョガーではなくランナー」が多く使われています。
ジョギングとランニングどちらが楽しいか?それは、肺が苦しくなく、おしゃべりしながら走れるジョギングの方が楽しいに決まっています。

レース前にはスピード練習をしますが、私は楽しく走ることがライフスタイルだと思っています。
でも、周りの人には「毎日、ランニングしている」と言います。毎日、楽しく走ってはいるけど、若いひとのように少しでも早く走ろうとしているのだという気持ちもあります。
北海道弁で言うところの「いいふりこき(見栄を張っている人)」と言います。ジョギングの言葉の由来を調べると、狩猟時代まで遡ります。
その当時は、狩猟採取を終えた人たちが、動物に襲われないよう家路を急ぐための走り方であり、獲物を求めて長距離を移動する走り方でした。
また、ジョギングは、心臓を鍛える効果があるという理由から軍隊に取りいれられていた時代があるそうです。
ジョギングの由来は、縄文人がマンモスやサイを追いかけている姿であったり、戦いをイメージさせたり、明るく爽やかなイメージとは程遠いことがわかりました。
ただ、そのことが、ジョギングという言葉が非主流派になっている理由かどうかはわかりません。私たちは、雑誌やネット等のランニング情報にかなり依存しているのは確かなことです。
ランニングという言葉が氾濫し、知らず知らずのうちに影響をうけていると思います。
ストレス社会が進行する現代においては、心身の健康と体力増進をするジョギング・ランニングブームはますます盛んになっていくと思います。
それぞれのランナーの目的に応じて、ジョギングとランニングを楽しんでいければ良いなと思います。