ランニングを始めた時、多くの人が経験する筋肉痛。太もも、ふくらはぎ、すねと脚のいろいろな部位に痛みが出ます。
さらには、お腹や背中、首と筋肉痛の対象は全身に広がります。

今回は、ランニングでの筋肉痛の原因と予防、そして対処法について説明します。
ランニングの筋肉痛を予防する方法
ランニングをしていると、いろいろな部位に痛みが出る時がありますが、簡単にその原因をまとめてみると、次のようになります。
・太もも前方→腰が落ちたランニングフォーム
・太ももの付け根→オーバーワークとフォームに問題
・太ももの裏側→ストレッチ不足や筋力不足、フォームにも問題
・ふくらはぎ→オーバーワーク、またはジャンプするような走り方
・すね→すねの筋力不足か、ひざ下が外に巻くようなフォーム
・お腹、背中→筋力不足と運動不足
これらの原因から予防法をまとめてみると、一つは正しいフォームで走ること、二つ目はオーバーワークにならないようにすること、三つめは筋力不足を補うようにすることになると思います。
筋肉痛になりにくい正しいフォームとは、骨盤を意識して走るフォームです。ランニングは空中に浮いている瞬間があり、着地の衝撃による脚の筋肉への負担が大きいスポーツです。

骨盤を動かすポイントは、体幹を上手に使うことです。体幹とは、腹筋と背筋を含む胴体の中心を通る一本の柱をイメージして下さい。
この柱を中心に、胴体を左右に回旋するように走ると、歩幅が広がって姿勢が良くなり、きれいに前へ前へと脚を動かすことができます。
体幹を支えている大きな筋肉が腹筋と背筋になります。
腹筋と背筋を鍛えることで体幹が安定し、美しいフォームで長い時間走ることができるようになりますし、筋肉痛になりにくくなります。
美しいフォームとは、テレビ等でみる一流選手のフォームが、骨盤を意識したフォームになります。
筋肉痛を早く治す方法
筋肉痛とは、ランニングによって筋肉繊維が損傷した状態のことを言います。
筋肉繊維の損傷は、休養と栄養を摂ることで自然に回復していきますが、より早く回復するためには、次のような方法があります。
▲アイシングする
痛いところを冷やすと血流が抑制され、痛みが緩和します。
▲温める
痛みが緩和されてきたら、温めるのが効果的です。運動後2~3日が目途です。
▲ストレッチで体をほぐす
硬くなった筋肉を、痛みが出る前にストレッチでほぐし、血流を良くします。
▲マッサージでほぐす
お風呂上がりに患部をマッサージして血行を良くし、筋肉を伸ばします。
筋肉痛でも走っていいの?(オーバーワークにならないように)
トップランナーの場合ですと、激しいトレーニングをした翌日に、軽くランニングすることで体内の疲労を素早く除去できると言います。
しかし、初心者の方は、筋肉痛=疲労状態で走ると、過労になりオーバーワークの状態になります。
オーバーワークはさらなる筋肉痛を招き、故障やケガにつながり、走ることが辛くなります。
筋肉痛がある時は、だいたい48時間~72時間の休息で回復すると言われています。回復した筋肉繊維は、損傷する前より繊維が太くなりより良くなっています。

この機能を有効に使いながら、ランニングを楽しむことが大切です。
筋肉痛になりにくい体を作る(筋力不足を補う)
日頃からランニングしている人、そうでない人、それぞれ筋力や筋肉の質が違います。
筋肉は使うほどにしなやかになり、対応する感覚が育っていきます。
無理なランニングはしないようにしながら、計画的に走り、適度にストレッチをしたり、負荷をかけて筋力トレーニングをしたりするなどして筋肉の質を向上させていくと良いと思います。
そうすることで筋肉痛になりにくい体を作り、楽しいランニングライフを送ることができます。