ランニングをいかに楽に走ることができるか、効率的に走ることができるかというのは、ランナーにとって大事なポイントです。
楽に効率的に走ることを考えた場合、体幹や肩甲骨などの動きも大事ですが、今回は下半身の動きに絞って考えたいと思います。
下半身の中でも、足の着地(どうやって地面に対して足を付いていくか)について説明します。
ランニングのときの着地のしかた
ランニングのときの着地のしかたには、下図のように3種類あります。
1.かかとから着地する
かかとから着地してつま先から抜けていく着地方法です。
多くの人がこのランニングフォームです。
かかとから着地するということは、少なからずブレーキをかけながら走っていることになります。
かかとから着地した場合は、足が地面についている時間が長くなるため、走る時間が長くなると負担が大きくなります。
2.つま先から着地する
つま先から着地して、そのまま抜けていく着地方法です。
アフリカのランナーに多い走り方です。
つま先から着地では、地面との接地時間が短くなり、膝から下の筋肉へのダメージが少なくなります。
筋肉への負担を減らすことで、より長く、楽に走ることができます。
3.足全体で着地する(フラット着地)
足の裏全体で地面を捉え、つま先から抜けていく着地方法です。
足裏全体で着地することで、ふくらはぎへの負担が少なく、お尻の筋肉を使って走ることができます。
ランニング中の上下動が少なく、エネルギーロスが少なくなります。
着地の仕方による足への負担とスピードへの影響
ランニングの着地で大事なことは、着地方法よりも、地面と足が接地している時間がポイントになります。
接地時間が長ければ、足に負担がかかっている時間が長いということになります。
右図のつま先着では、重心の真下に足を着地しています。
頭から足まで一直線の状態になっています。
このフォームですと、足の接地時間が短くなり、筋肉への負担が少なくなります。
ランニングの理想のフォームは、アフリカ選手のようにつま先から着地するフォームです。
しかし、アフリカ選手は意識してこのフォームにしているのではなく、もともと骨盤が前傾しているからできるそうです。
関連記事:ランニングフォームは骨盤の前傾を意識すると改善できる!
今でも、アフリカ原住民の中には、裸足で100kmを平気で走る人がいますが、体型的にケガがない疲れない走り方ができるからです。
では、だめな着地とは、どのような着地かというと、「大げさなかかと着地」です。
この方法ですと、重心よりさらに前へ着地することになり、接地時間が長くなり足に負担がかかります。
また、重心もかなり後ろに乗っている状態になりますので、大きくブレーキがかかりスピードが出にくくなります。
さらに、太ももの前の筋肉に負担がかかり、筋力が弱い人は膝周辺のけがのリスクも高くなります。
上り坂、下り坂、平坦な道で意識すること
極端な例になりますが、急な上り坂を身体をそらせた状態で走ると、重心よりもかなり前に着地させることになります。
そのことは、筋肉に大きな負担をかけ、大変大きなブレーキをかけながら走ることになります。
上り坂、下り坂を走る時には、身体の重心の位置が変化します。
そのことで、身体が前傾し、また後傾しますが、あまり極端になると足への負担が大きくなったり、スピードが出すぎたりします。
平坦な道にも共通しますが、上り坂下り坂を走る時、着地する場所が重心よりあまりにも前方にならないよう注意した方が良いです。
どのような路面を走る場合でも、大げさなかかと着地は避けて下さい。
まとめ
ランニングフォームの着地についての説明は、なかなか理解しにくいと思います。私も、普段、あまり着地を意識していません。
ただ、上半身が極端に前へ傾かないよう、後ろに反らないようには意識しています。
初心者の方が、重心や着地を意識するのは難しいので、上半身を意識した方が良いと思います。
腹筋や体幹が強くなることで、上半身も安定し、着地も安定してきます。