ランニングが日常的生活の中に溶け込んでくると、たまには思い切りスピードを出して走りたくなりますよね。
また、全国各地で毎週開催されているマラソンレースにも挑戦したくなってきます。
そのような時に考えるのが、自分に適したスピードはどのくらいなのか、レースではどのくらいのペースで走れば良いかということです。

初心者が目指すべきスピードの平均や目安
国内のマラソン大会の制限時間は、フルマラソンで6~7時間、ハーフマラソンで2時間30分~3時間に設定されています。
この制限時間内で走りきるには、フルマラソンで8分30秒~10分/km、ハーフマラソンで7分10秒~8分30秒/kmのペースが必要になります。
初心者の方が目指すとすれば、まず、レースを完走できるスピードを身につけることだと思います。
その次の段階としては、一般的な市民ランナーの平均スピードです。
コース状況や暑さなどの条件によってスピードやペースは変わりますが、フルマラソンの男性平均タイムは4時間40分、女性平均タイムは5時間10分です。

ペースで言いますと、男性6分40秒/km、女性7分20秒/kmです。
このペースを維持するためには、日頃のトレーニング時のスピードは、男性は6分/km、女性は7分/kmが目安になります。
サブ4、サブ3などの平均や目安
フルマラソンで3時間を切る、または4時間を切るというのは、多くの市民ランナーにとって大きな目標になっています。
フルマラソンの大会に出場しているランナーの中で、サブ3ランナーは約5%以下、サブ4ランナーは約30%と言われます。
市民ランナーにとってサブ3ランナーは憧れのランナーであり、サブ4ランナーは結構早いランナーということになります。

サブ3ランナーのレースペースは4分15秒/km、サブ4ランナーは5分40秒/kmです。
レース後半のスピードの落ち込みを考えると、トレーニング時のスピードは、サブ3ランナーで4分/km、サブ4ランナーで5分25秒~5分30秒/kmが目安になります。
ランニングでスピードアップするためのトレーニング方法
初心者の方におすすめのスピードアップトレーニングを3つ紹介します。
このトレーニングは、多くのマラソンランナーが取り入れている方法で、心肺機能の向上や速く走るための全身の筋力が鍛えられます。
1.ウィンドスプリント走
全力疾走の70%~80%のスピードで100m~300mの短距離を数本走るトレーニングを「ウィンドスプリント走」と言います。
ウィンドを日本語に訳すと「風」になります。風に乗るイメージで、呼吸をとめずフォームを崩さず気持ちよく走ります。「流し」とも呼ばれています。
ウィンドスプリントは、ジョギングやペース走では与えられる事のない刺激を筋肉に与えてくれます。
ウィンドスプリントを練習に取り入れると、スピードを出して走る時の体の使い方が身に付き、より速いスピードが出せるようになります。
ジョギングではどうしても歩幅が狭くなり、小さなフォームになりがちですが、シンドスプリントを取り入れる事で、フォームが固く小さくなる事を防ぐ事が出来ます。

また、繰り返し行う事で、心肺機能や持久力が向上する効果もあります。筋力の強化や、上半身と下半身の連携も養われます。 基礎体力の向上だけでなく、気持ち良く走る事でストレス解消にもなります。
トレーニング後のクールダウンに取り入れると、ジョギングやウォーキングでのクールダウンでは抜けない疲労を抜く効果もありますのでおすすめです。
ウィンドスプリントの効果を活かすためには、あくまでトレーニングメニューの中のアクセントとして扱う事がポイントになります。体全体に良い刺激となるでしょう。

体力に余裕のある時に、トレーニングの最後の方で少しだけ行えば充分です。
大会本番での動きを良くしてくれる効果もありますので、特に大会前のトレーニングでは、ジョギング後にぜひ取り入れて欲しいトレーニングになります。
2.ビルドアップ走
最初は会話しながらゆっくり走り出し、徐々にスピードを上げて走り、最後は、全速力に近いスピードで走りきるトレーニングです。
例えば、10kmのビルドアップ走をするとしたら、7kmまではジョギングペースで走り、残り3kmをどんどんスピード上げていきます。
メリット① スタミナの向上
ゆっくりから速いスピードまで走ることで、心肺機能が向上します。またいろいろな筋肉が鍛えられ、足の筋力がアップすることで、長距離走を走りきるスタミナをもつ身体を作ることができます
メリット② スピードアップ
最後は普段のペースより速いペースで走ることで、スピードアップのトレーニングにもなります。
目標にしているスピードより速いスピードで走りきることによって、目標スピードで走るのが楽に感じられるようになり、より速くより長く走れるようになります。
走り終わった後は、「きつい!」と感じるくらい頑張ります。
スピードだけでなく、心拍数も管理すると練習の質が高まります。

3.ペース走
「ペース走」とは、一定のペースで走り続けるトレーニングのことです。それにより持久力が向上します。
ペースの感覚を体に覚えさせるこのトレーニングにを行えば、そういったことも防げます。
初心者から上級者まで、誰でも行える最も基本的なトレーニングですので、既に紹介した「ビルドアップ走」「ウィンドスプリント走」とともに、ぜひトレーニングに取り入れて下さい。
個人の体力や目標に合わせて、無理のないペースで走ります。慣れてきたら、徐々にスピードを上げていきます。
ペース走の練習は距離表示のある道で行うことがおすすめですが、例えば道の角から道の角まで走というように目印になる物を決めて、その間を往復するような走り方でも構いません。
なおタイムを計る距離は、数百mから1kmの間が目安と言われています。腕時計やストップウォッチを使って一定距離ごとのタイムに大きな差異が出ないように計りながら走ります。

トレーニングをするときに注意すること
スピードアップのトレーニングは、1週間に1~2回が目安になります。
体に負担のかかるトレーニングですので、無理なペースアップはケガや故障の原因になります。
体調の良い時に取り組むようにして、強い疲労感を感じたりする場合はスピードを落としたり、ウォーキングに切り替えるなど、焦らず取り組むことが大切です。
