カーボローディングというのは、初心者の方には聞きなれないと言葉ではないかと思います。
私は、5年ほど前にマラソン仲間からこの方法を教えてもらいましたが、その頃はまだ正確な知識ではなかったため、マラソン大会前に2kgも太ってしまいました。
今回は、マラソンとカーボローディングについて説明します。
カーボローディングとは
カーボローディングとは、運動エネルギーとなるグリコーゲンを通常より多く体に貯蔵するための栄養摂取法のことを言います。
マラソンや自転車競技等の持久力を必要とするスポーツで用いられるほか、結腸の手術を行う患者への体調管理にも利用されています。
グリコーゲンは、エネルギーとしての分解が容易で即効性があり、肝臓と骨格筋に貯蔵することができます。
カーボローディングは、グリコーゲンを、最大限、体に貯蔵して高い運動能力を得ることを目的に行われています。
大会前の体内のエネルギー調整を「カーボ(炭水化物)調整」とも言います。
カーボローディングの効果
マラソンやスキーのクロスカントリーといった長時間身体を動かし続ける必要のあるスポーツは、有酸素運動と呼ばれ、酸素を取り入れながら栄養素を燃やしてエネルギーを作ります。
この運動は大きな力を発揮できないかわりに、長く体を動かすことができます。
カーボローディングは通常よりグリコーゲンを多く保持するため、ランニングに必要なエネルギーの枯渇を起こしにくく、より長い時間ランニングを続けることができます。
マラソン大会の数日前からトレーニングの強度を落とし、休養日を設けながら十分に体力を回復させるとともに、特別な食事法で体内にグリコーゲンが十分に蓄積されていきます。
そうすることで、レース中のガス欠防止に役立ち、身体が本来の能力を十分に発揮できるようになります。
カーボローディングのやり方
カーボローディングは、レースの3日前から食事における炭水化物の占める割合を多くすることです。
レース前にパスタやごはん等の高糖質のものをドカ食いするということではありません。
他の栄養素とのバランスを考えながら食事をしないと、私のように太ってしまい逆効果になります。
食事の量は普段と同じくらいで、炭水化物多めのメニューにします。
また、普段食べないものを無理して食べないことです。
揚げ物やカツ丼等は消化不良の原因になりますし、玄米やフルーツ類は下痢や胃腸障害を起こしたりします。
いつからカーボローディングを始める?
マラソン大会前は、いつからカーボローディングを始めれば良いのでしょうか。
以前のやり方は1週間前から始めていました。
週の前半は炭水化物を押さえ、後半にリバウンドを利用しながら積極的に炭水化物を摂るというやり方でした。
しかし、食事が極端すぎて体調を崩しやすいことから、今の主流はレース3日前からです。
3日前から始めても効果はほとんど変わりません。
また、ハーフマラソンに出場される方も多いでしょう。
初心者の方は、ハーフマラソンを2時間~3時間で走ります。
ハーフを1時間そこそこで走ってしまうランナーであれば必要ありませんが、走る時間が長い初心者の方は、ハーフマラソンであってもカーボローディングを行うことで、エネルギー摂取の効果が現れます。
カーボローディングのメニュー
炭水化物は体内に入ると糖質(ブドウ糖)に変わります。
これがマラソンに必要なエネルギーに変わります。
また、低繊維フルーツやビタミンB群を多く含む食べ物は、糖質の燃焼を助けるので積極的に食べると良いです。
糖質を多く含む食品
ご飯、カステラ、あんまん、アンパン、バナナ、ジャガイモ、うどん、パスタ、そば
ベーグル、かぼちゃ
低繊維フルーツ・ビタミンB群を多く含む食品
ズッキーニ、トマト、ブドウ、グレープフルーツ
たらこ、豚肉、うなぎ、大豆製品
高糖質メニュー例
主食(ごはん)・主菜(蒸し鶏、ゆで豚、煮魚など) 副菜(かぼちゃの煮物など) 副菜(温 野菜サラダなどの緑黄色野菜) 汁物(ミネストローネ、豚汁など具だくさんなもの)
デザート(バナナ、オレンジジュース)
おすすめカーボローディング「餅カーボローディング」
餅にはごはんの約1.4倍の糖質が凝縮されています。
消化も良く、手軽に効率よく糖質を摂ることができます。
餅味噌汁や力うどん等、消化の良い食べ方がいろいろあります。
餅には「力餅」と言われるように粘り強いといったイメージがあり、多くのランナーが餅カーボローディングを取り入れています。
大会まえにはウォーターローディングで身体をみずみずしく
カーボローディングと同時に、毎日1.5~2リットルの水をこまめに飲み、体内の細胞内 に水分を蓄え、その状態を維持することでランニングのパフォーマンスを上げることができます。
ミネラルウォーターや経口補水液(薬局で販売されている)、麦茶等がおすすめです。