マラソンは42.195kmを走り切るスポーツです。
トップランナーでも2時間以上体を動かし続けるわけですから、市民ランナーにとっては大変、過酷なスポーツです。
マラソン大会のコース上には「エイドステーション(エイドコーナー)」という場所が必ずあります。
ここには、パンやバナナ、ケーキ等の補給食がおいてありますが、20kmあたりを過ぎてから、約5kmごとに3~4箇所設置されています。

では、食べないと走ることができないんでしょうか?
今回は、まだマラソン大会の経験の浅いランナーの方に向けて、マラソン大会の栄養補給対策について説明します。
マラソンはなぜ、栄養補給をしないと走れないのか
フルマラソンを走るときに使われるエネルギーはどれくらいかというと、体重×距離でおよその値がわかります。
体重60kgの人であれば、60kg×42.195=2530kcalになります。
これは、成人男性が1日に必要な食事のカロリーと同じです。
マラソンを走るときに必要なエネルギーは、脂肪を燃焼させて作り出されますが、実は糖質がある状態のときのみ、脂肪は燃焼してエネルギーを生み出すことができます。

6~7時間かけてマラソンを走る場合、途中で糖質が切れてしまうこともあります。
糖質が切れてしまうと大変です。脳のエネルギー源は糖質ですので、糖質切れを起こすとフラフラしたり、ぼーっとしたりという状態になります。
また、糖質が切れることで脂肪燃焼もストップし、エネルギーを生み出すことができないので脚も前に出なくなります。

このように、糖質切れはエネルギーを生み出すことができないばかりか、気持ちが切れてしまうことにつながりますので、4時間以上かけてフルマラソンを走る場合は、走りながらエネルギー補給することが必要になります。
マラソンの栄養補給対策! どんなものを、どれくらいの量、どのタイミングで
走りながらエネルギーを補給することが必要なことは理解していただけたと思います。

1. どんなものを
補給したいものは、とにかくエネルギー切れを起こさないために「糖質」です。
ごはんやうどんに多く含まれますが、携帯できてかさばらないよう、ジェルやエネルギーバーなどがおすすめです。
あと、エイドコーナーによくあるバナナは、食べやすくすぐエネルギーになるのでおすすめですよ。
2. どれくらいの量
走りながら食べる場合は、筋肉に血液が集中しているため、内臓の消化・吸収力は低下しています。
走りながら消化・吸収してエネルギー源として使えるのは120~240kcal程度です。
エネルギージェル1個がちょうどこの範囲になり、あとはバナナ1本、あんパン1個程度になります。
これを超える量を摂取すると、消化に血流が取られ、筋肉の血流が減るため、走りのパフォーマンスが低下してしまうので注意が必要です。
3. どのタイミングで
補給食の基本は、60分~90分に1回です。
もしくは10km毎に補給するのでも良いと思います。
ご自身で携帯しているエネルギージェル(120~240kcal)で糖質補給をしながら、エイドステーションにある補給食も楽しみながら走ると良いと思います。

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味、重量、飲みやすさ、コスト、カロリー等から次のエネルギージェルをおすすめします。
どれも一般的なもので、私もレース時には愛用しています。
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