テレビで放映される有名なマラソン大会を見ていると、先頭を走っているペースメーカーの選手に目が行きます。
それらのペースメーカーは黒人選手で、3人1チームで走っているとが多いようですが、最後まで走って優勝したらどうするのだろうか、いくらくらい報酬をもらっているのだろうか、そんなことを考える方もいると思います。
今回は、そうしたマラソン大会のペースメーカーについての疑問にお答えしたいと思います。
ペースメーカーはいつ頃から?
欧米の主要なマラソン大会では、1980年頃から高額賞金制度が導入され、その頃からペースメーカーが登場してきました。
日本では、2003年の福岡国際マラソンからペースメーカーが登場しました。
ペースメーカーが登場してきた背景には、昨今のジョギングやマラソン人口の急増が大きく関係しています。
マラソン人口の急増に伴い、世界各地では市民マラソン大会が開催されるようになりました。
マラソン人口やマラソン大会の急増は、ランニングシューズやランニングウェアー等の売り上げを伸ばし、マラソン関連グッズだけでなく、旅行関係、ホテル関係等の企業の売り上げを大きく伸ばすことになっています。
そういった市場への影響から、多くの企業がマラソン大会の協賛企業として協賛金を出すスポンサーになり、マラソン大会が他のスポーツイベントと同様に、一大スポーツイベントとして成長してきました。
スポンサーは、できるだけ多くの人たちを引きつける魅力ある大会・話題豊富な大会にするため大会内容をいろいろ工夫します。
高額賞金を出して有名選手を集めたり、世界記録や日本記録等の好記録が出やすいようペースメーカーを起用したり、とにかく魅力ある話題豊富な大会にして、お客さまを引き付ける必要があるわけです。
ちなみに、東京マラソンの優勝者には800万円と高級外車、世界記録には3000万円、日本記録には500万円、ペースメーカーには100万円(推定)がスポンサーから出されています。
ペースメーカーの役割は?
ペースメーカーには、高水準でかつ均等なペースでレースや特定の選手を引っ張る役割があります。
マラソン大会の主催者(スポンサー)がペースメーカーを雇い、5kmを3分で30km地点まで走るという具合に指示をします。
また、先頭を走ることにより、後続ランナーの風除けの役割にもなります。
ペースメーカーが走ることによって、ライバルを意識しすぎてペースを乱すこともなく、負担が少ない中でレースに臨め好記録が期待できることになります。
どんな大会にペースメーカーが?
ベルリンやロンドン等の世界的な大会や、日本では東京・福岡・別府大分・大阪国際女子等のテレビ中継がある大会や、オリンピック予選や世界選手権の予選を兼ねる等、マスコミの注目度の高い大会には必ずペースメーカーが走ります。
しかし、オリンピックや世界選手権では、国ごとの出場枠が決められているのでペースメーカー走りません。
ペースメーカーにはどんな人が?
ほとんどが現役の選手です。
ペースメーカーはある程度実力がないと役割が果たせないわけで、普通に大会に出て勝負しても上位入賞できるくらいの実力のある選手がペースメーカーとして参加しています。
福岡国際や大阪国際女子大会では、所属国の代表選手として名前が挙がっていいくらいのビックネームがペースメーカーとして走ることもあります。
ペースメーカーを決める際には、主催者と選手側をつなぐエージェントを通してペースメーカーを紹介してもらっています。
ペースメーカーの報酬は?
ペースメーカーの報酬は、ピンからキリまであり、海外レースの高い場合は240万円くらいです。
ロンドンやベルリン、東京では100万円と言われており公表はされていません。
ハイペースで引っ張れば金額が上がる契約もあるようです。
国内の市民マラソンは旅費や滞在費を除いて10万円からと言われています。
ペースメーカーは優勝してもいい?
ペースメーカーは主催者の条件により、最後まで走って良い場合は、最後まで走りますが、ほとんどの場合は30km地点まで走ったら役目を終えるのが通例のようです。
あくまでも主催者の条件に従うのが、プロランナーとしてのペースメーカーの役割です。
最後まで走って良い場合は優勝する場合もあるわけで、過去にはそういった例がありました。